体調が悪くて苦しんでいる人をキレイだって言うのも、可笑しな話かもしれないけど。


みんながキャーキャー言うのも‥わかる気もする。


あなたはまるで‥みんなの『王子様』ね。


「‥みゆ‥き‥せん‥せ‥い」


タクシーのシートにもたれ掛かって苦しんでいる正直先生を見て、私は小さくため息をついた。


正直先生と出会ってから、私のペースは崩されてばかりだ。


でも‥。


私の繰り返すだけだった日常を大きく掻き乱す存在は。


私には少しだけ‥嬉しく感じた。