「ど、どうしよう‥。」


私は運良く走ってきたタクシーを捕まえて、最寄りの救急外来のある病院に連れていってもらうことにした。


意識がハッキリしないのに、私の手はガッチリと掴んでいる正直先生。


一体‥この人は何者なの?


どうして私と慎也のこと知っているの?


正直先生は額に汗を浮かべて苦しそうにしている。


‥熱があるのに走ったりするからだよ。


でも‥こんなときでもタクシーの窓に写る正直先生の横顔は、整っていてとてもキレイだった。