ラブ・ストーリー~可愛くない女~

「‥待ってくださいっ!」


後ろから伸びてきた少し熱い手に、私はグイッと引き留められた。


大した距離も走っていないのに、「ハァハァ」と苦しそうな息遣いをする正直先生。


「‥ちょっと大丈夫なの!?無理し‥」


「‥あの男のところに行くんですかっ!?だったら僕はこの手を離しません!」


‥えっ?あの男‥?


「昨日、あの雨のときも会ってたんでしょ?」


正直先生の熱で潤んだ瞳が私を写した。