ラブ・ストーリー~可愛くない女~

「あ‥ゴメン、手が滑っちゃって‥。」


慌てて拾おうとすると、私よりも素早く、散らばったプリントを正直先生が集めていた。


正直先生の華奢だけど、しっかりとした“男の腕”‥。


大きな手と肩幅のある背中。


昨日の出来事が再び頭の中を過る。


「‥昨日は歓迎会の場を作って頂いてありがとうございました。」


プリントを集めて立ち上がった正直先生が、真っ直ぐ私を見て言った。