ラブ・ストーリー~可愛くない女~

目を開けると視界がグラグラしていたけど、私を抱き抱えているのは間違いなく、正直だった。


「‥正直?」


返事はなく、私は見慣れた自分の部屋に運ばれる。


そうか‥これは夢なんだ。


酔っぱらいの‥どうしようもない夢。


夢の中の正直が、フワッと私をベッドに下ろす。


そして優しく抱えていた手が、すっと離れて行く。


「正直‥待って‥。」


私は正直の手を掴んだ。