ラブ・ストーリー~可愛くない女~

「‥皆さん、落ち着いてください。」


カウンターの椅子を引きながら康介さんが言った。


「山下様。もしよろしかったら、一杯ご馳走させて頂けませんか?」


康介さんが優しく微笑む。


「‥もしかして‥羽山 康介くんか?バーテンダー協会の賞を総なめにしたという‥」


正直のお父さんが目を丸くして康介さんを見た。


「是非ともうちの専属のバーテンダーになってもらいたいと思ったのに、急に姿を見せなくなったと聞いていたが‥。」


康介さんってそんなに有名な人だったんだ‥。


私は驚きを隠せないまま康介さんを見た。