「みゆきちゃん‥よく聞いて。」


秀人は私の肩をしっかり掴んで、真っ直ぐ私を見た。


その表情からは困惑と苦しみが伝わってくる。


「正直には‥幼い頃から決められた許嫁がいる。」


「‥え?」


秀人の言葉に目の前が真っ白になって‥膝から力が抜けていった。


「来月には正式に婚約するんだ‥俺の妹と‥。」