「あの‥僕、どこか変ですか?」


少しだけ茶色く染められた髪がサラッと揺れ、正直先生が不安そうな表情で私の顔をのぞき込んだ。


「‥あ、いえっ。主任の小向 みゆきです。こちらこそよろしくお願いします。」


慌てて挨拶をした私を見て、園長先生がまた小さくため息をついた。


「みゆき先生、今日から“主任”でちょっと落ち着かないのよ。でも仕事のできる先生だから、たくさん学んで立派な保育士になってね。期待しているわ、正直先生。」


”立派な保育士“って、どんな保育士よ‥。


心の中で園長先生にツッコミつつ、私は笑顔で職員室を後にした。