ラブ・ストーリー~可愛くない女~

私の考えていることが伝わったのか、正直先生は少し微笑んで、また一口だけカクテルを飲んだ。


「‥僕は大切な人の夢を奪ってしまいました。だから、僕はその人の代わりに保育士になろうと決めたんです。」


そう言って、正直先生はツラそうに俯いた。


‥大切な人?


私はもっと詳しく聞きたかったけど、正直先生が‥あまりにも哀しそうに笑うから‥。


「‥そうなんだ。正直先生って保育士向いてると思う。3月の卒園式では号泣している姿が目に浮かぶよ。」


私は自分から話を打ち切って、話題を変えた。


正直先生もどこかホッとした顔をして、「そうですね、僕は涙もろいので」と恥ずかしそうに笑った。