突然後ろから声がして驚いて振り返ると、そこに立っていた男の人も驚いた顔をして私を見た。


「あら、正直くん!ううん、正直先生よね。約束の時間より早かったわね。」


園長先生がニコニコしながら席から立ち上がった。


「‥あなたがみゆき先生ですか?ご指導、よろしくお願いします。」


丁寧な口調で頭を下げた『正直先生』は‥“嫌味なヤツ”という私のイメージと全然違う印象だった。


整った顔立ちからは気品を感じるけど、アイドルグループにいそうな、どこか幼さを感じる笑顔の持ち主で‥。


私はさっきの履歴書の内容を思い出しながら、物珍しそうにジーっと見てしまった。