「これって…。」 「雪乃。俺と結婚して樋口雪乃になってくれる?」 あたしの左薬指には永遠の約束の宝石がついた指輪がはめられていた。 「誠……どうして…?」 「本当は雪乃の誕生日にプロポーズするつもりだったんだ。 でもここ暫く、この指輪を買うのにちょっとバイトしたり残業を多く入れていたんだよ。 不安にさせてごめんな?」 誠の言葉が、さっきまでのささくれた心と空虚感を癒してくれる。 「それから…遅くなって、ごめん。」