【短編】『Sweet Dentist番外編』Anniversary

「ほら、響が言ってたろ?
魔法かけてやるから目ぇ瞑れ。
ほら、はやく!!」

「あ…うん…。」

言われるがままに目を瞑ると誠が左手を取る気配がする。

ひんやりと冷たい感触が指を伝った。



……え?



「雪乃。目ぇ開けても良いぞ。」

誠の言葉にゆっくりと目を開ける。

真っ先に飛び込んできたのは優しく微笑む誠の顔。


それから


優しく繋いだ彼の手…

誠が繋いだ左手をゆっくりと私の目の前に持ってきた。