【短編】『Sweet Dentist番外編』Anniversary

顔をそむけ安原さんのキスを拒む。

「すみません…。あたしやっぱり…。」



「バカ雪乃…。
早とちりしやがって。」



聞き覚えのある声がすぐ傍で聞こえた。

それは決してここにいるはずのない人の声で…。

何よりも聞きたかった声で…。

誰よりも愛しい人の声・・・。


「今日は俺たちが付き合いだした日だろ?
ちゃんと覚えてるよ。」

その声にゆっくりと瞳を開く。

ここにいるはずの無い誠が眉を潜めて、すぐに目の前に立っていた。