「ねぇ、ちょこ。
 俺って馬鹿みたいでしょ?」



ブンブン首を振る私。



「初めて奢ったお寿司をちょこはほんとに幸せそうに食べてくれたね。」



それ見て俺もすげー幸せだなって感じたんだよ?



私を落ち着かせるように囁くけーちゃんの声。




「他人から見たらさ、お寿司記念って!って思われてもね、俺…。」

そこでけーちゃんは言葉を切った。






「ちょこと過ごす毎日がほんとに大切で、特別なんだよ。」





そう言って私の好きな顔でふわっと笑う。






「仕事、頑張ってきたのに意地悪してごめんね?」




もう私は首を振ることしか出来なかった。