「入るぞ~、SHRを始める。日直」
シーン
ん?
いつもならここで、日直が「起立‼」って言う筈なんだけど…。
何で言わないんだろう。
忘れてんのかね、だったら超ドジ。
「おい、日直。聞いてんのか?」
又もや シーン
誰なの。
私は段々苛立ちが募り始めていた。
「しょうがない。…んー、名簿には…片瀬と赤谷と書いてあるが…居るか?」
先生は名簿をチラッと見ながらそう答えた。
片瀬さんと赤谷くん、鈍感。
マジ勘弁してよー……って、ん!?
片瀬って、あの片瀬?
片瀬麻理?
うちじゃん‼
そ、そうだ、赤谷くん起こさなきゃ。
「赤谷くん、起きて‼日直だよ‼」
私は隣で寝ている赤谷くんの肩を揺すった。
…反応なし。
「赤谷くん起きて‼…ねぇ‼」
小声で言ってるからか、どうも気づかないらしい。
「片瀬、居るじゃないか。早く」
「はい…き、起立!…礼」
クラスメイト達は不満気に私を見ていた。沙都実は必死に、笑いを堪えてるように見える。てか、絶対そうだ‼
ったく、他人事のように思って。
恥かいたじゃない。
今の私の気持ちとは裏腹に、隣で寝息を立てながら気持ち良さそうに眠っている人が居た。

