「ありがとう、沙都実。本当大好き!」



私は、勢いのあまり沙都実の身体に体当たりをしてしまった。



「うちも大好き!」


でも、可愛い顔は歪まず余計悪戯っ子の瞳で私を見つめた。
屈託のない笑顔で。







「…何か羨ましいな」


不意に赤谷くんは呟く。



「え?」



「俺妬けるわ…永山に。俺じゃその位置に居られないじゃん?重症だな俺。片瀬の親友にまでヤキモチを焼くなんて」




さっきまで騒がしかったクラスも、今は遠く感じる。

赤谷くんのその声にしか耳が傾かない。