「そうか、それは悪かった片瀬。赤谷はそーゆうの止めろよ」
「はぁ~い」
ちょ、え…??
何コイツ。私のこと庇ったの?
私は頭から血の気がサーッと消えてくのが感じられた。
大したことじゃないのに、苛立ちを覚えた自分に、逆に阿保らしくなった。
ーSHR後ー
「赤谷くん」
「ん?お、片瀬から話し掛けられる何て珍しいね。何か用?」
「うん。さっきはありがとう」
これは、ありがとうと言うべきだと思い、赤谷くんにお礼をした。
「ありがとう?俺、片瀬に何かしてあげたっけ」
「え…あ、あぁ。SHRの時私のこと庇ってくれたじゃん」
「庇った?…あの事か。別に良いのに。悪いの俺だし」
悪いのが自分?
普通の人ならここで、当然だ。みたいな顔をして「こちらこそ」程度の事しか言わないのに。
結構イイヤツじゃん。
私は、赤谷くんの長所を発見出来た事に喜びを感じていた。
…何故だか知らないけど。
「俊ー‼おっはよん♪」
「雄祐、はよっ」
黒田雄祐(クロタ ユウスケ)
赤谷くんとよく行動を共にしている相手。赤谷くんに負けず、すっごく明るいんだよね。
実は私の、幼馴染だったり。
雄祐と私が仲良いのは、有名らしく。
皆から“幼馴染コンビ”何て呼ばれてんのよね。ネーミングセンス疑うわ。
雄祐は女子からモッテモテだから、雄祐の好きな女子から恨まれることが多かったり…トホホ。

