鬱女と天然男

「転校生の斎藤 和也くんだ。よろしくやってくれ」

「斎藤和也です!前の学校では「かず」って呼ばれてました!よろしく!」

…私は寝てたのに周りの「キャー!いけめぇ~ん!」だの「かずくぅ~ん!」だのの声で目を覚ました。
睡眠妨害だ…。
これだから女っていうのは…。
まあ自分も女だけど。

「えーっとお前の席はどうするかな。」

「先生!私の隣がいいです!!」

「お前の隣はもう田中がいるじゃないか。
お、桜木の隣が空いてるな。斎藤、そこでいいか?」

斎藤くん狙いの女子が隣の席空いてねぇのに…。
バカだな。
桜木さんは学校で一番可愛いと有名な子。
おまけに性格までいい。

あらあら、桜木さんったら頬染めちゃって。
いいねー、ラブロマンスが始まるんですねー。

私は恋なんて嫌だな。
なんでそんなことで自分の時間を削られなければならない。
相手に気を使うのも正直ダルイ。