鬱女と天然男

ピーンポーン…
インターホンを押してすぐに斎藤和也がでた。

「あれっ、夏樹ちゃん?どうしたの?」

「ん。」

説明するのも面倒でおすそ分けを斎藤和也の顔付近に差し出した。
「母から…」ともつけたした。

「わー、ありがとう。あ、よかったら家寄ってく?」

「いや、遠慮する」

さー、早く帰ってオムライスオムライス…って…
あれぇー…なーんで斎藤和也くんは私の腕を掴んでるのかなぁ?
おかしいなぁ?

なんでか知らないが斎藤和也が私の腕を握って離さない。

「ねぇ、いいじゃん。暇だから寄ってってよ…」

そう言う斎藤和也の目がなんだか捨てられた子犬みたいでつい頷いてしまった。
意識弱いなぁ私…
つかこいつとは口聞かないって決めたのに…