鬱女と天然男

「あ、そう。じゃ、それで」

「え、待ってよ夏樹ちゃん。俺も家そっちだから一緒に帰ろ」

…は。
え、マジかよ…
はぁ…。最悪。

まあでもあと数分で家につく。
そう思いながら私は目的地の我が家を目の前、よし、あいつとおさらば…

……じゃ、ない。
え、なんか内の隣の家に…斎藤和也が…。

「じゃあまた明日ね、夏樹ちゃん」

にこやかに手を振るが私は呆然としながら斎藤和也の家。もとい隣ん家のご近所さんの家を呆然と見ていた。