鬱女と天然男

調子狂う…

あのあと私は体育を見学になってボーッと眺めていた。
斎藤和也のせいでまだ顔が暑い。

授業が終わり下校するころ
教室であいつの席から

「かずくーん、一緒に帰らない?」

「あ!私も私もー!」

「んー、いいよー」

柴崎理恵の誘いを軽くOKをする斎藤和也。
まったく能天気…。
あいつらは狙ってると保健室で…

あれ…もしかして知ってて一緒に帰るのか…
い、いやそれはないか。
うん、ないない。

「やっぱりかずくんイケメンだよねぇ~♡」

「そうなことないよー」

「柔らかい口調とかあたし的にストライクなんだけど!」

「理恵ちゃんも可愛いね」

……

……

…なんだ、あいつは誰でも名前呼びするのか

…なんだ。

な、なんかむしゃくしゃする…
もういい。今日はもう帰ろう。

教室のドアに手をかけた刹那

「あ!ねえねえ夏樹ちゃんも一緒に帰ろうよ!」

ブチッ…

切れた。

「斎藤和也くん。悪いけど私に話しかけないでもらえる?
あと名前呼びもするな。」

怒りのこもった笑顔をおみまいしてやり私は教室をでた。
もう知らねぇ!もう知らねぇ!
あいつとは金輪際口きかねぇ!