「ってか知花ちゃん、本気でどうしたの?」
亜紀ちゃんが今度は真面目な顔で聞いてくれた。
「トイレでね…友達の悪口言ってる子がいたからちょっと敏感になっただけ…。ごめんね?」
「友達の悪口?まだ幼稚な事する子がいるんだねぇ。」
「友達の悪口を言うってのは本当の友達じゃないから。悪口じゃなくて悪い所をちゃんとその友達に言えるのが本当の友達なの。」
「彩乃ちゃん…。いい事言うね…」
私も思った。
何気ない顔でいい事を言う彩乃。
彩乃はいつも私に厳しい事もちゃんと言ってくれる。
厳しいな…。とか考えた事もあったけど…嫌いとかは考えられなくて。
だからなんだね。私が彩乃を嫌えない理由。
彩乃の言葉の中には沢山の優しさが含まれてる。
だから厳しい事を言われても…嫌いなんて感情は芽生えない。
むしろ…大好き。
「彩乃ちゃんってさ、凄い事を何気ない顔で言うんだね。尊敬する。」
「そ…かな?」
湊に褒められてちょっと赤くなった彩乃。
「まぁ…とにかく!私は知花も翠も大事な友達だから、嫌な事あったら隠さず言います!だから私は嫌いにはならない。他の奴なんか気にしない!私達には私達だけの絆があるでしょ?」
きっぱり言う彩乃が凄いかっこよく見えた。
「うん。わかった。ありがとう。彩乃」
「…彩乃の言葉ってズシンと心にくるよね。」
「翠の気持ち、私もわかるよ。」
「でも嬉しい。二人の友情の中に入れてもらえて。ありがとう」
「当たり前じゃん。翠ま私達にとって大事な友達だよ?」
「うん。私もだよ。」
これからきっと…沢山喧嘩すると思うけど…それでも沢山喧嘩して沢山仲直りして絆を深めていこうね?

