「春乃さん。きれいだね。」 そういって、父の手から私を受け取って、 その人はにっこりと笑った。 白いベール越しに見える その人は顔立ちも整っていて、 にっこりと優しく笑う姿は、思わず目を奪われた。 そして、優しい甘い声で私にだけ聞こえるようにつぶやいた。 「はじめまして。 今日から末永くよろしくね。」 ーーーありえない。 私、日向井 春乃 今日初めて会う人と『結婚』いたします。