コンコン 「--はい。」 母親が返事をすると、少しだけあいたドアから 係りの人の声がする。 「お時間です」 私は、 背中がぞくっとなる。 ふわりとした真っ白なドレスが重く感じる。 係りの人がいろいろ言ってくれるが頭に入ってこないまま、 私は、合図とともに、父の手を取り 真っ赤なヴァージンロードを歩いていた。