建志は春乃の手をそのまま取って、 まっすぐ春乃の目をみつめたーー。 「なぁ。春乃。教えて。」 「え?な・・・なんでしょう。」 なんだろ。 こんな真剣に見つめられたら ちょっと怖いーーー 「『夏樹さん』って何者?」 にっこりと 建志は笑った。 その冷たいほほえみに 春乃を思わずビクッと肩をすくめて 建志をまっすぐ見つめ直した。 「な…なぜ建志が夏樹さんを・・・?」 建志は返事をせず ただ、 春乃に笑いかけて 春乃の返事を待つ。 春乃は困ったように息を吐いた。