ガチャリ。 不意に、 ドアが開くーー 中からスタッフが数名出てきた。 「あら、新郎さま。 新婦様はもう準備できましたよ。」 にこやかに、年配のスタッフが話しかけてきてくれた。 ありがとう。 と夏樹さんはにこやかに笑顔で返す。 静香さんの付き人ーーーキスの相手も 軽く会釈をしてその場から去って行った。 「おいで、春ちゃん?」 「え?」 戸惑う間もなく、 グイっと手を引かれて、 そのまま新婦さんの控室へと連れ込まれる。