「ねぇ、あいつウザくない?」
「あ~わかる!」
「あのぶりっこ加減がまたキモイ(笑)」


また始まったと思った。
うちのクラス三年A組には菅野 真生(かんの まお)という通称「女王様」が女子を支配している。


真生がうざいと言い始めれば、1日でクラスの女子全員から目の敵にされる。
まるで伝染病のように早々と広まっては、皆を汚染していく。


「じゃぁ、今からあいつのことは無視ね」
「「りょうかーい」」


今日もまた誰かが犠牲になる。


皆も皆だが、私も私だ。
自分の番が回ってくるのだけは避けたくて見てみぬ振りをしては、
耳を塞ぐ。

誰かの悲鳴だけは聞きたくない。

そう考えれば、私も真生とたいして変わらない。
皆と変わらない。

ただ
意見したり
行動したり

そういう目立つ行動をしないだけで、私は周りとなんら変わりない。