教師に相談しても時間の無駄だということがわかり、私はもう誰にも心を開かなかった。
そして、月日は早々と過ぎ…卒業の日を迎えた。
卒業式ではポツポツと泣いている生徒がいたが、何故泣いているのかすら解らない自分がいて笑えた。
そして、卒業式が終わるとクラスごとに食事会が催されていた。
しかし、私は一人帰っていた。
もう、あそこには用はないから。
なのに…。
「ちょっと、待ってよ!!」
振り返ると、そこにいたのは寂しそうな顔をしたクラスメイトの三宮 千穂(さんのみや ちほ)だった。
その子は小学校から一緒で、中学でも三年間一緒のクラスだった。
「なに?」
私は顔色一つ変えずに冷たく聞き返した。
「食事会にでようよ!最後なんだよ…」
千穂は今にも泣きそうな表情で私に訴えてくる。
でも、もう遅い。
「なんであんたが泣きそうな顔すんの?泣きたいのはこっち。大体、私がなくても食事会なんて成り立つでしょ?私がいてもいなくても、誰も困りはしたい。そうでしょ??それに…私、あのクラス大嫌いなのよね」
私はまくし立てるように…。
今までの鬱憤をぶつけるように…。
そう冷たくいった。
千穂はそれ以上何も言わず、ただ立ち尽くしているだけだった。
じゃぁね。
私は心の中でそう告げて。
千穂に背を向けて歩き出した。
「ごめんね…」
千穂は小さくつぶやいた。