ミーンミンミン.........


セミの鳴き声にぐったりするのもそこそこに、私はチクチクと布を縫い合わせていく。



補習の日から一週間が経った。

今日は9月にある文化祭に向けてクラスで準備をしている。


看板を作ったり、

喫茶のメニューを考えたり...

教室はすでに盛り上がっていて、
かくいう私もちょっと楽しんでたりして。



「お、もう出来そうじゃーん。白雪姫」


声を掛けてきたのは
私の親友、山田 柑奈(やまだ かんな)。

柑奈は明るくて
頼れるお姉ちゃんって感じなんだ♪


「うん!!
あと、ここ縫い終わったら完成だよ~」



私達のクラス、2-Bは
教室で"童話喫茶"なるものをするらしい。

まぁ実際は
童話喫茶なんて名ばかりで、メイドやら着ぐるみやらそれぞれ自由にコスプレするみたいだけど...。



柑奈はシンデレラ、私は白雪姫。

白雪姫はもちろん私の案じゃなくて
柑奈のアイデア。

小さくてふわふわしてる感じが
私にピッタリなんだって。



背が高い柑奈は、シンデレラの衣装がよく似合っててすごく可愛い。


私は...着こなせるかなぁ...。



「奈津は可愛いんだから大丈夫!!」

なんて柑奈は言うけれど
実際は不安でいっぱいだった。