見上げた背中




仕方なく、

起きるまで待つか、と
西島が眠っている隣の席に腰を掛けた。



「てか...超幸せそうな顔してんじゃん」


寺田先生が言ってたのはこれかぁ。


むにゃ~っとした
彼女の寝顔は、

見てて癒されるっていうか...
仕事の疲れも一瞬で吹き飛ぶっていうか。


なんか、可愛い。




「......何の夢見てんだ?」




思わず笑みがこぼれた。




ふと、頭を撫でる。


「んー......」

「...っと」


やば、起こした??

慌てて手を引っ込める。



「西島ぁー...??」



一応呼びかけたが、西島は
またすーすーと寝息をたてて眠りはじめた。

それに何故かホッとしてる俺。



なんだよ...らしくねぇ。

早く起こして帰らせたらいいのに。


柄にもなく頭撫でたり...
起きない西島に安心しているなんて

自分でもどうかしてるって思う。





でも...



その時はただ、





幸せそうな、その寝顔が


何だかとても愛おしく感じて。





不覚にも、


いつまでもこの時間が
止まればいいのにと願ってしまった。