君色Diary

「いらっしゃい、二人とも。遅かったね~」


「えっ、葉月!?部活は!?」


「へ?空から聞いてないの?」



ニコッと笑いながらドアを開ける葉月に、思わず問いかける。

そんなあたしに、葉月はきょとんとした後、普通に家へ入ろうとしていた空くんを見た。



「空ってば、七海にちゃんと説明してねって言ったじゃない。遅かったのは、説明してたからじゃないの?」


「説明しなくても、まぁ、行ったらわかるしなーと。遅かったのは、地獄に巻き込まれる時間を少しでも少なくするため」



空くんはそう言うと、スタスタと中へと入っていく。


えっと……。

一体、どういうこと?


チラッと隣を見てみれば、葉月は「はぁ…」とため息をついて。

「説明は後でね」と言うと、グイッとあたしを家の中へ押し込んだ。