君色Diary

「それは中学の頃からだから、知ってる……。気づいてないの、葉月くらいだろ」


「そっか。じゃあ……陽向くんが、かざみん先生を恋敵にしてるのは知ってる？」


「……それは、知らない……」



わけがわからなくなってきたのか、呟くように言いながら、怪訝な顔をする空くん。


たぶん、なんで先生なんかがって思ってるんだろうな……。

あたしも数学の補習で聞いたとき、最初はそう思ったし…。



「かざみん先生って、バスケ部の顧問でしょ？だから、葉月もよく話すみたいで。しかも仲良さげで、先生も若いから、警戒してるみたいだよ。葉月は全く意識してないみたいだけどね」



できるだけわかりやすく、簡潔に。

言葉を選びながら話すと、空くんはとりあえず理解したように頷いてくれた。