君色Diary

「それはわかってる……。なんで突然、コイツは叫んだんだよ……。鼓膜破るつもりかっての」



耳の次は、頭を押さえながら、陽向くんを睨むように見つめる空くん。

陽向くんはというと、思い切り叫んだせいか、息切れしながら放心状態になっていて。


えっと……なんて説明しよう?

簡単に言えば、陽向くんは葉月が好きで、かざみん先生を勝手に恋敵にしてるだけなんだけど……。

さっきの禁句を説明しようとなると、ややこしくなる気が……。


グルグルと頭の中を回る、説明の数々。

それをひとつにまとめるのは、とてもじゃないけど、無理そうで。



「えっと……まず、陽向くんが葉月を好きなのは知ってる?」



あたしはとりあえず、ひとつずつ説明することにした。