君色Diary

ビリビリと伝わってくる、大音量の声。

陽向くんは、あたしたち以外誰もいないのをいいことにそう叫ぶと、そのまま大声で叫び続けた。



「俺の方が、一緒にいる時間なげぇのに!俺の方が、風見より背ぇでかいのに!俺の方が、風見よりバカだけど、葉月のこと好きなのにー!!」



陽向くんはそう言い切ると、ゼェゼェと息切れしながら、ストンとイスに座りなおす。

あたしはそれを見て、耳を押さえていた手をようやく離すと、チラリと横に視線を向けた。

その視線の先では、空くんが未だに耳を押さえたまま、机に突っ伏していて。



「……七海。今のは一体、どういうことだよ……」


「えっと……陽向くんの、愛の告白?」




搾り出したかのような声。

それに「あはは…」と苦笑すれば、ムクリと空くんが起き上がった。