君色Diary

「おい陽向……。ここ一応図書室だから。他に人いたらどうすんだよ」


「テスト前でもない放課後の図書室に来る人なんて限られてるっての!てか、ななみん!!」



空くんが呆れたようにため息をついて言うと、部活後なのか、制服姿の陽向くんはムッとしながら言い返す。

思わずポカーンと二人を眺めていれば、不意に陽向くんはあたしの方を見て。

キッと睨んでくる陽向くんにビクッとすれば、ビシッと指をさされた。



「聞いたぞ……俺はオレンジじゃないって言っただろ!?」



そう言い切った陽向くんに、静かになる空気。

それを破ったのは、空くんで。



「……なに言ってんの、陽向」


「だってななみんがさぁー!俺は緑がいいって前から言ってんのに、オレンジから変えてくんねーんだよ!」



あからさまに、“どうでもいい”という顔をする空くん。

陽向くんはそんなことは気にせずに、何故か必死に空くんへと訴えかけていて。