君色Diary

「………あ」




不意に聞こえた呟き声。

それと同時に、パラパラとめくっていた音も止まる。


見つけたのかな……?



そう思っただけで、急に体が緊張し始めて。


だって、日記はあたしの心、すべて。


嬉しい気持ち、悲しい気持ち。

楽しい気持ち、苦しい気持ち。



人には言えないようなことも、全部日記には書いてある。


だから、水色の日記のところには、空くんへのあたしの正直な気持ちと、その日の出来事も、忘れないように、書いてあって。


緊張したこと、大勢の前で泣いて、迷惑をかけたこと。

空くんに抱き上げられたこと、高台に行ったこと。

告白したこと、花火の下で……キスしたこと。



そんなことすべてが、恥ずかしげなく、書かれていて。