君色Diary

「そ、空く……っ」


「はい、日記貸してー」



驚いて顔を上に向けて空くんを見れば、意地悪な笑みを浮かべながら、スッと手から手帳を抜き取られる。


空くんは、いとも簡単に手から離れた手帳を、器用に片手でパラパラとめくると、水色の日記を探し始めて。

その間、あたしはドキドキとしながら、思わず俯いた。



そ、空くん……やっぱり、甘いよ……!!

普段は意地悪が多いのに、ふ、二人きりになった途端、色々と甘すぎる……!!



一気に赤くなった顔は、すごく熱くて。

片腕だけでも、すっぽりと抱きしめられるこの空間は、安心感と、ドキドキを感じさせて。



パラパラと手帳をめくる音を聞きながら、おとなしく空くんの様子をうかがう。

空くんは、水色の日記を探すのに苦労しているのか、何度か持ち替えては、前のページに戻ったりを繰り返して。


そりゃ、簡単に見つかるわけないよ……。

だって、あたしが水色を使ったのなんて、この間が初めてだもん。

花火大会のあの日……空くんと、両想いになった日だけ。