君色Diary

「そ、そそそっ、空、くん……!?」



驚いて、咄嗟に離れようとすれば、片腕だけで、ギュッと抱きしめられる。

そしてもう片方の手では、手帳を持つ、あたしの腕を持っていて。



う、うわぁぁっ……!!

い、いきなり、密着してるよ……!

近いよ、近い……!



さっきの陽向くんと葉月のように、後ろからすっぽりと包み込むように抱きしめられる。

そのおかげで、あたしの背中と空くんの胸板がぴったりくっついて。

トクントクンと、空くんの胸の音が、伝わってくるようで。


は、恥ずかしい……!

なんで空くん、こんなに落ち着いてるの!?

あたしにも、心の準備ってものが……!!



「そ、空くんっ!ちょっと、離してもらっても……」


「ダメ。さっきからこうしたかったのに、頭なでんので我慢したんだから、七海も我慢して」



空くんはそう言うと、髪にそっとキスをして。


あたしの胸は、またドキンッと跳ねた。