君色Diary

「俺が教えたら、七海の日記、見せるって言っただろ。だから見せて」


「わ……わかっひゃから、はなひて……」



ふにふにと頬を引っ張られるせいで、ふにゃふにゃ言いながらも、目で空くんに訴えかける。

すると空くんは、そんなあたしに「ぷはっ」と吹き出すと、面白そうに笑い始めて。



「も、もう…!なんでほっぺた引っ張ったりするの!日記、見せないよ!」


何気に、ちょっと痛いんだから……!

空くん、花火大会の後から、段々意地悪度が増してきてるよ……!



あたしは両手で日記を握ると、空くんから守るようにして抱え込む。

それでも、空くんはまだ笑い続けて。



「そ、空くんってば笑いすぎだから!もう、日記見せないから!」


「あ、それはダメ」



そう言ってカバンへしまおうとすれば、グイッと引き寄せられた体。

そのままスポッと空くんに抱きしめられれば、ドキンッと胸が鳴って。