君色Diary

「えっ?皆、もう行くの?あたし、まだ準備してな……」



図書室を出て行く4人を見て、慌ててカバンの元へと行こうとする。

でもそれは、空くんによって遮られて。



「七海と俺は、後から行くから」


「ななみん、ちゃんと空、連れてきてくれよ。んじゃ、お先~」




グイッとつかまれた腕。

それに驚いて立ち止まれば、そんな様子を見て、陽向くんが笑いながら出て行って。


せっかく呼びに来てくれたのに、いいのかな…?

まぁ、陽向くんと葉月は、あたしたち同様、付き合い始めたばっかりだし、二人の時間もあっていいかもしれないけど……。



そんなことを思いながら、あたしの腕をつかんだままの空くんを見上げる。


花火大会の日。

あの日、あたしのせいで、偶然二手に分かれたような気がしてたけど、それは実は、空くんと陽向くんの作戦で。

あたしが、わざと隠れていた空くんを探してる間に、

葉月を連れてさりげなく離れた陽向くんは、その後、あたしと同じように、告白。

もちろん成功して付き合い始めた二人は、とても幸せそうで。


ホント、よかった……。

一番応援してくれてた二人だし、ちゃんと両想いになれてよかったよ……。

無事、あたしも陽向くんも、片想い同盟から、抜けれたしね。