君色Diary

「あっ、葉月!」


「七海っ!体育館、空いたから、皆で呼びに来ちゃった」



そう言って立ち上がり、葉月へと駆け寄れば、にこっと微笑み返してくれる。


今日は午後から、どの部活も体育館を使わないため、いつも公園でしている空くんと陽向くんの練習を体育館でやろうとなった。

無事、かざみん先生の許可ももらって、部活が終われば、葉月に呼びに来てもらう約束だったんだけど。



「ちょっと、ななみん!葉月の独り占めは禁止だから!」


「ちょっ……陽向!皆いるから!」



二人話していれば、そう言って葉月を引き寄せたのは陽向くん。

それに葉月は頬を染めながら、ジタバタともがいて。



「おいおい…いつの間にこんなにカップル成立してんだよ……。俺への嫌がらせか?」




そんな二人を見て、呆れ気味にそう言ったのは、風見先生。

そして、そんな風見先生の後ろから、ひょこっと顔をだした茉莉花ちゃんは、タタタッとあたしの方へ駆け寄ってきて。



「白崎さんっ!その後、空とはどうですか!?」



何故か全員集合状態でやってきた葉月たち。

いつも、人口密度の低い図書室が、少しだけにぎやかになった。