君色Diary

「あのな、七海……。いくらなんでも、なんとも思ってないやつの頭を頻繁になでたりしないから。夏休みだって、わざわざ学校なんか誘わないっつーの」


「え………」


「俺が葉月の頭をなでたことなんてあった?触りたくても我慢してた、こっちの身にもなってみろよな」



空くんはそう言うと、ガシガシと、少し乱暴に頭をなでる。

それに小さな悲鳴を上げれば、空くんは楽しそうに笑って。



「私がなんだってー?」



ぐちゃぐちゃになった髪を、空くんに手伝ってもらいながら直していれば、そんな声と同時に、ガラッと開いたドア。

その声に空くんと一緒に振り向けば、部活を終えた葉月と陽向くん、それに、風見先生と、後ろでオロオロとする茉莉花ちゃんがいた。