君色Diary

「だって、空くんのことは、なんでも知っていたいもん」


好きな相手のことは、なんだって知りたい。

そう思うのは、おかしいのかな?

意地悪だけど、なんでも優しい空くんだから……。

きっと、気づかないうちに、無理させちゃうことがあるかもしれない。

だから、どんなことでも、空くんのことは知りたいの。


そう思って、にこっと笑えば、空くんは少し恥ずかしそうに顔をそらして。



「……七海、恥ずかしいから。……嬉しいけども」



空くんはそう言うと、ぽんっと頭に手を置く。

その手はとても優しくて。

あたしは頬を緩ませると、そのまま思わずこう言った。



「でも空くん、優しいけどからかわれることも多かったから……、友達くらいにしか思ってくれてないと思ってた」


陽向くんといたときとか、二人まとめて呆れられたりしたし……。

身長低いのを面白がられたし。

それに、かざみん先生にも、「俺の楽しみとらないで」みたいなこと、言ってたし。

あの時は、“あたしってば、まだまだからかう対象なんだな”なんて思ったんだよね……。


そう思いながら、何気なく言った一言。

でも、そう言った瞬間、頭をなでる手がピタッと止まった。

不思議に思って顔を上げれば、空くんは少し不機嫌そうにあたしを見ていて。