「なんで……?」



呟くように言った言葉が震える。

今にも泣き出しそうなくらい、目の奥が熱くなって。



「ちょ……っ、七海、違うから!誤解だから!!」


「へ……?」



すると、慌てたように空くんはそう言うと、落ち着かせるように、さらに優しく頭をなでる。

あたしはそれに、弱々しく聞き返すことしかできなくて。



「えーっと……、その、花火大会!そんときに、話すから!」


「花火大会……?」


「そう!だから今は……ちょっとだけ、置いておいてくんない?」



頭の中がいっぱいいっぱいで、ただ聞き返すことしかできない。

そんなあたしを見て、空くんは優しく微笑むとサラッと髪をなでて。