君色Diary

「七海……」



葉月が、困惑したような表情を浮かべる。

そんな葉月に、あたしは申し訳ない気持ちでいっぱいになって。


葉月は土曜日のこと知らないのに……。

こんなこと言ったって、困らせるだけだよね……。



「……ごめんね、葉月……」



俯いて、呟くように、そう言う。


せっかくお見舞いに来てくれて、心配してくれたのに……。

あたしは葉月を、困らせてばっかりだ……。


キュッと目をつむって、葉月の言葉を待つ。

すると突然、むにっと頬をつままれて。



「……!?」




驚いて目を開くと、葉月が怒ったように、ぷくっと頬を膨らませていた。