君色Diary

「……七海、どうしたんだよ?俺…なにかした?」



なかなか返事をしないあたしに、空くんが不安そうに口を開く。

あたしはそれに、俯いたまま、首を横に振って。



「じゃあなに?昨日までは、いつも通りだっただろ?」


「…………」



その言葉に、あたしの中の、何かが崩れた気がした。



いつも通りって……?

なにがいつも通りなの……?

空くんの正面に座ってたこと?

茉莉花ちゃんと空くんの会話を、ただ聞いてたこと?

皆に作り笑いを浮かべてたこと?


空くんはいつも通りでも、あたしはいつも通りじゃないよ。

苦しくて寂しくて悲しくて。

茉莉花ちゃんが来てから、いいことなんて、ひとつもない。