君色Diary

「……ぴったりな名前、だなぁ……っ」



目にたまる涙で、くぐもった声。

そんな声で、ポツリと呟く。


だって、そうだよ。

あたしがいくら手を伸ばしても、手は空くんに届かなくて。

空くんはそんなあたしをからかうように、笑って見ていて。



「……あたしの想いも、届くことはないのかな……」



考えすぎなのか、ズキンズキンと頭が痛む。

祈るように額に当てたジュースは、ひんやりと冷たくて。



「……空くん……っ」



色んな想いをこめて、小さく呟いた名前。

そしてギュッとジュースを両手で抱きしめれば。



「………なに?」



そんな返事が聞こえて。