「……っ、なんでっ……」



滲んでくる視界。

昨日、頑張ろうと決めたばかりの決意が、徐々に崩れていく。

図書室に戻れば、出しっぱなしだった課題を全部めちゃくちゃにカバンに詰め込んで。

ガタガタと音を立てながら図書室から出れば、ちょうど部活を終えた、葉月と陽向くんがやってきた。



「あれ、七海どうしたの?帰っちゃうの?」


「急用できちゃって!あ、よかったらこれ、見ておいて。それじゃあね!」


「え、あ……七海!?」



こんなときだけ達者な口。

ポカンとする葉月たちに、慣れてしまった作り笑いを浮かべると、少しクシャッとなってしまった花火大会の広告を押し付ける。

あたしは空くんたちがいた階段とは、別の階段を駆け下りて。



「……ヤダ、よ……。なんで、こんな……」



校門を出てそう呟けば、ポケットで震えたケータイ。

力なく取り出せば、それは空くんからのメールで。