君色Diary

「ダメだなぁ、あたし……」



どうしても気になってしまう空くんの存在。

好きな教科をやっていても、それは変わらなくて。

空くんが茉莉花ちゃんのもとへ行った今、空いた目の前の席が、寂しくてしょうがない。



「……あたしの意気地なし……」



そう呟いて、ガタッと立ち上がる。

そして空くんの隣のイスに座ると、ジッと空いた席を見つめて。


……近いな……。

最初はこんな距離で、数学教えてもらってたんだよね……。



「……ちゃんと、隣、座りたいって、言えてたらな……」



そう呟きながら、背もたれにもたれかかる。

するとポケットから突然鳴り響いたバイブ音。

驚いてケータイを開けば、葉月からのメールで。