君と図書室で


「....そっか」

私が知っていた(昨日知った)事を言うと何故か辻先輩は照れたように笑った


....さっきのどこに照れる要素があったんだろう


笑っている辻先輩に怪訝な顔を向けていると、いきなり手を出してきた

「あ、これ」

「....?」


出してきた手を見ると先程取られた、私が取ろうとしていた本が握られていた



もしかして、自分が読むために取ったんじゃなくて、私の為に取ってくれたってことなのかな?


そう考えた私は先輩からその本を受け取る事にした

「ありがとうございます」